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偏差値70の生徒があえて行く商業科高校が必要

普通科に人材が偏る日本の高校教育

今朝、政府の教育再生実行会議で『高校普通科の画一的教育を改革するよう提言がなされた』というニュースが各新聞紙面に踊りました。
まず、やはり気になったのは普通科に在籍する人数の割合です。
提言本文によりますと、H29年における高等学校の普通科は239万人とあり、実に72.9%を占めていました。
他方、商業科などの専門学科は71万人、総合学科18万人とあり、割合は21.6%、5.5%となります。(第十一次提言中間報告について(平成31年1月18日)本文p12

高校生の在籍割合

優秀な中学生が普通科ばかりへ行く現状は果たして良いのか?

政府の有識者会議は、普通科の画一性を問題視して、教育内容に多様性を持たせるべきだという内容だったようです。
これに対して私は、そもそも偏差値の順で上位の普通科高校から選ばれていくという、普通科ありきの現状に疑問を抱いています。

例えば、偏差値70辺りの成績トップ層が商業科に集まればどうなると思いますか?
高校在学中に日商簿記1級を取る人が続出するでしょう。
そのまま専門学校に進んで勉強に集中すれば、20歳で税理士や公認会計士試験に合格する人が日本にもっと増えるでしょう。
そして21歳から就職して実務経験を積みはじめ、その後20代のうちに大学や海外留学で学歴を得るという選択肢をじっくり検討できるでしょう。
高校生と違って、業界内から精度の高い情報を得た上で大学(研究室)を選べますし、大学に行っても自分でお金を稼ぐ能力を有しているのですから、貧しい思いをするリスクも減るでしょう。

こういうことが『一般的』になったら、すごいと思いませんか?
むしろそうなった方が生産的でしょう?
というのが私の考えです。

話は少し逸れますが、高い生産性・国際競争力を持った会計人の育成をするなら、このくらい思い切ったことをしなければならないのではないでしょうか?
「大学院2つ行って、試験3科目免除で財表と消費税法だけ受かって28歳で税理士資格を満たしました。
大学院の勉強は大変だったでしょうって?サークル入ってしっかり楽しんでましたよ。
アルバイト?そんなのしてたら論文書く時間がなくなるでしょ?」
とか言ってのける、知識も実務遂行能力も著しく欠けた新人アラサー税理士(有資格者)ときたら・・・

話が逸れるどころか脱線してしまいましたね。すみません。
ちなみに税理士試験の免除が3科目いけることをご存知ない方は意外と多いですね。
会計科目1+税法科目2で、計3科目です。
この制度の解説につきましては、こちらのサイト様が丁寧で正確です。

なお、この記事を作成中に調べてみたのですが、税理士試験に20歳で合格するためには、やはり16歳にはスタートさせる必要があるようです。
また、16歳で税理士試験に合格するためには、中学1年には勉強をスタートさせる必要があるだろうとのことです。その過程で日商簿記1級を中学2年で取る必要があるようですが、これこそ異次元の世界ですね。
情報元:16歳で税理士試験に合格する方法

話を戻します。
上記はあくまでひとつの例えですから、工業科・農業科にも言えることですし、変わり手としては、通信制の高校を利用しながらスポーツとかプログラミングとか、本当にやりたいことをとことん磨くという進路も考えられるわけです。

ですから、有識者会議で指摘されている『高校普通科の画一性』が問題なのではなくて、『高校普通科へ進学するという行為の画一性』が問題であると私は考えるのです。

それに、日本の学校教育は『学習指導要領』に沿って行われるわけですから、普通科で実施される教育内容が画一的になって当たり前でしょう?
それとも普通科の学習指導要領に柔軟性を持たせますか?
そうすると、最も知恵が必要な『多様性のある教育』の部分は現場の教師に丸投げということになると思いますが。現場の教師が疲弊しませんかね?

県内トップレベルの進学校に高偏差値の商業科を設置する

ここまでの内容をまとめると、『成績トップ層が普通科以外へ進むことが一般的になれば、これまでの日本になかったような化学反応が生まれるでしょう』ということです。
ただし、あくまで『一般的になれば』の話で、これを生徒が単独で行うと、行った先では浮いた存在になってしまいます。

成績トップ層が現制度で商業高校に行くと苦労する

私の経験では、商業高校は宿題をやってこないのが当たり前のような生徒が集まってきている傾向があります。
そんな集団の中に県内成績トップの生徒が一人混ざるとどうなるでしょうか?
「宿題見せて」、「ノート見せて」、「わからないところ教えて」のオンパレードです。

そんな級友とのやり取りならまだかわいいものですが、進学先について進路課の先生方から間違いなく干渉を受けます。
商業高校には普通だったら絶対に来ないような生徒が来たのです。
進路課にとって十年に一度とも来ない絶好のチャンスを逃すわけにはいきません。
「商業科高校で進学できる中で頂点の大学へ進学実績を残そう!」と進学課の会議で決まり、進路指導が始まります。

たとえ生徒が、
「専門学校に行って税理士資格を取ってそのまま就職します。大学ですか?就職後に必要が出てくれば行きます。」
と意思表示していても、進路課の先生から説得工作を受けることでしょう。
学校も先生も、偏差値の高い大学への進学実績で評価されるのですから当然です。

現役高校生の方がもしご覧になっていましたら、進路について先生の言うことなんて話半分に聞いていた方がいいですよ。
地方から一度も出て生活したことがない先生が、
「横浜の○○大学は偏差値は高いけど、神戸の○○大学の方が雰囲気はいい」
とか何とか、平気でこういうことを言ってのけますからね。
雰囲気がいいって何??(笑)

ここで私の体験をお伝えします。
私はトップ層ではありませんでしたが、ここでいう『一人混ざってしまった』状態だったので、進学先を決める過程で学校教師側と泥沼の様相をみせました。
思い出したくもありませんが、最低な思いをしたことは事実です。
また学習進度はクラス全体で合わせますから、例えば日商簿記2級を高2の秋に取ると、残りの高校生活1年以上は同じ内容を繰り返します。私の在籍した高校では日商簿記2級より先の内容は授業では教えないことになっていたからです。
毎週複数コマある簿記の授業の無意味さに耐えかねて、1級を学びたいと直訴したら、怒られました。
「2級が受からない級友のことを考えろ!お前の出過ぎた行動がクラスの雰囲気を壊すんだ!」って感じで。
このような経験から、ひとりで学習レベルの異なる学校へ飛び込むのはやめた方がよいと思っています。

卒業に日商簿記1級程度取得を要件とする商業科を設置する

現実的に、従来からある商業高校をいきなり高偏差値の生徒が集まる高校にすることは不可能でしょうし、規模的にも大きすぎるように感じます。
ですから人数規模は少数精鋭とし、普通科高校に1~2クラスだけ商業科を設置することになるでしょう。
ただし、現行制度(卒業時の目標が日商簿記2級)のまま普通科高校に商業科を附属させただけでは、普通科と商業科との間に学力差が生まれ、あまり効果はないと思います。
あくまで学力レベルは、学校全体で高く維持する必要があります。
例えば理数科が付属している普通科高校は軒並み偏差値が高めです。
レベルの高い普通科があり、理数科もあって、その学校のブランドを築いているわけです。

では具体的にどうするか?
ここで、題名にも掲げました『偏差値70の生徒があえて行く商業科高校』となるための要件は以下の2点が考えられます。
(1)相当な学力がなければ卒業できないようにする
(2)受験で苦労しても、入学するだけのメリットがある
(3)周りに学力の高い生徒がいて、切磋琢磨が期待できる

この3点を実現するために、
『卒業要件は日商簿記1級を取ること。勉強したい人だけ受験してください。』
という学習方針(ビジョン)を明確に宣言することです。これで上記(1)~(3)の要件をすべてクリアできるでしょう。
加えて言えば、従来の商業高校では手が回らない数学もきっちり学べるようにカリキュラムを作ることですね。
現行の商業高校は簿記を優先して数学の手を抜きがちなのですが、数学を勉強していないと後に経済学の勉強をするときに不利になります。
公認会計士の資格を取ろうと学習を進める上で、経済学が苦手になるとしんどいですよね。
このように、高校で簿記1級が取れることに加えて、他の科目も普通の進学校と同等レベルの学習ができるとわかればメリットも十分あります。

会計分野では20歳から実務社会へ出る秀才を育成すべきではないでしょうか

以上、普通科に偏重する日本の高等学校教育に対して、商業科の進学コースを出た私の考えを述べました。

上記に述べた内容に対する現実的な問題はたくさん出てくるであろうことは承知しています。
例えば、資格の勉強には相性の問題がありますから、どうしても簿記学習への意欲を失ってしまい手につかないという生徒へのケアが必要になってくるでしょうし、そもそも学習指導要領が・・・など、障壁はたくさんあるでしょう。

ただ、高度な専門性が必要とされるビジネス分野には、早い段階から難易度の高い教育をほどこし、ライセンスを取得させる方向に誘導した方がよいでしょう。
税理士や公認会計士などといったライセンス業は、資格を持っていなければ土俵にもあがれない仕事で、かといって資格があっても実務経験がなければ使い物にならないわけです。

税理士や公認会計士といった難関国家資格はありますが、そこに至るための体系的な公教育はあるでしょうか?
税務にしろ会計にしろ、年々複雑化し、国際化していっていますが、それに対応する10代からの体系的な人材育成は、個人の意思や民間企業に任せきりになっているように感じます。

えっ?『会計専門職大学院??』
あの、10代からの公教育について言及しています。
そんなところに行っていたらお金ばっかりかかって

高校の専門科にこそ秀才を集めるべき
そういう時代になってきていると私は考えます。

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