はじめに
名簿を扱う業務やボランティア活動などの事務をしていると、ひょいと『満年齢の計算』に出くわした経験はございませんか?
数名くらいであればweb上の計算サイトからちょいちょいと計算してコピペすれば解決することでしょう。
しかし、年齢計算が10数名を超えてきたり定期的に必要であったりすると、いちいちwebサイト経由の計算では時間がかかってしまいます。
そこでみんなこう思います。
「データがあるこのExcel上で年齢を自動で計算したい!」
その願い、叶えましょう。
今回は、一般的なDATEDIF関数を試した後、「非公式関数はできれば使いたくない」という方向けに他の関数を使った方法をご紹介します。
キャプチャ画像も用意しておりますので、ぜひご覧ください。
↑ ではこの状態から関数を使って計算していきます。
今回は年度末の3月31日を基準としてみます。
まずは従来のDATEDIF関数を使うことにしてみましょう。
一般的なDATEDIF関数で計算してみる
では早速、関数を入力してみましょう。
ん? dateと打っても候補に出てきません・・・
直接『DATEDIF』と打ってやっと出てきました。
セルの下に出てきた、DATEDIF()の部分をクリックすると以下の内容のヘルプ画面が出てきます。
警告: Excel では、Lotus 1-2-3 の古いブックをサポートするために、DATEDIF 関数が用意されています。 DATEDIF 関数では、特定のシナリオで誤った計算結果を返すことがあります。 詳細については、この記事の既知の問題のセクションを参照してください。
↑ Microsoft社 Officeサポートサイトより
DATEDIF関数は公式にサポートしている関数ではないようですね。
うるう年が関係する計算にエラーが出てくるようです。
(参照)EXCELで日付の差を計算するDATEDIF関数の落とし穴を整理します。
では引き続き、DATEDIF関数にて年齢を計算してみます。
上図の数式バーのように、
=DATEDIF(生年月日,基準日+1,”Y”)
を入力、基準日セルを絶対参照にして下へドラッグで上記の図のようになります。
基準日に+1と加算しているのは、誕生日の前日に年齢が1歳加算されるという法令上の決まりに合わせるためです。
上図でも4/1生まれの丙さんは1歳カウントされて30歳になっています。これで4/1生まれまでが早生まれとして計算できている状態です。
(参照) bit 法律では誕生日の前日に1歳年をとる!?
今回はDATEDIF関数でも問題なく計算できているようですね。
普通はこれでいいのですが、用心深い方はやはり非公式の関数を使わずに乗り切りたいところかと思います。
では公式関数を使用してDATEDIF関数と同じ計算結果となるようにしてみましょう。
YEARFRAC関数を使う
まずYEARFRAC関数を用います。
↑こちらは『y』と打っただけで候補に出てきました。
↑候補を選択してYEARFRAC関数を入力していきます。
開始日は生年月日を、終了日はA1基準日(現在時点)+1、〔基準〕は1を入力します。
最終日に+1と加算するのはDATEDIF関数のところで述べたとおりです。
[基準]を1とするのは日数計算の母数を正確にするためです。1以外だとうるう年の計算等でずれます。
↑ Microsoft社 Officeサポートサイトより
[基準]は省略可とありますが、必ず1を入れるようにしましょう。
↑YEARFRAC関数で上記のように求まりました。
ROUNDDOWN関数で整数にならす
現時点では小数点が表示されてしまっていますね。
この小数点はROUNDDOWN関数(切捨て)で整数にならしましょう。
↑ D4のセルに、=ROUNDDOWN(YEARFRAC(B4,B$1+1,1),0)
と入力し、下にドラッグすれば完成です。
ドラッグしてもB1基準日の参照がずれないように、B$1と絶対参照にするのをお忘れなく。(F4キーを2回で行を絶対参照)
あとはセルの書式設定で表示形式を編集して数字に『歳』をつけましょう。
数式バーに『&”歳”』と打っても表示できますが、それをやるとせっかくの数字データが文字列になってしまうので私は使いませんね。
↑はい、完成♪
このように、DATEDIF関数を使わなくても、YEARFRAC関数とROUNDDOWN関数を使うことで年齢計算ができました。
web上にはDATEDIF関数の使い方が多いようですが、やはり非公式関数を使い続けるのは気持ちがスッキリしないですよね。
そんな方(私含む)向けに記事を作ってみました。
下記の図書は、私が数あるExcel本を見てきた中で、実務向きで役に立つなと感じたもので、スタッフにも読ませている本です。
さすがに今回のYEARFRAC関数とROUNDDOWN関数の合わせ技のような内容までは載っていませんが、
ボリュームも程よく初級者から中級者にはちょうどよういレベルかと思います。
「Excel本がたくさんあって、どれを買えばよいかわからない」という社会人の方はこちらを購入してみてはいかがかと思います。
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