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女子大生 誤認逮捕は最初の報道から変だった

私がある記事に目を留めたのは令和最初の梅雨真っ只中の7月上旬、その日は確かたまたま晴れ間が出てくれて、コンディションがよかったので溜め込んでいた愛媛新聞をまとめ読みしていたときでした。

東京にずっと住んでいる人にはイメージしづらいかもしれないのですが、地方のニュースっていうのは全国的にみればマイナーで、web上に情報がなかなか載らないため情報を集めづらいのです。
さらに地方紙には知り合いの人が写真付きインタビューを受けているのを結構な頻度で見かけますし、逆に自分の投書が載れば必ず知人の誰かから電話がかかってきます。このような感じで地方紙は情報源としてもコミュニケーションのツールとしても優れており、地元では絶大な影響力を有しています。
そしてこの影響力はもちろん、負の情報についても同じように作用します。

愛媛新聞には『事件・事故』という交通事故とか犯罪発表を掲載する欄があって、記事そのものの情報量は多くはないけれど、気になる情報というのもあって、私はほぼ必ずチェックしています。

さてここから本題ですが、いつものように事件・事故欄に目を通していた時、この記事を見かけたのです。

誤認逮捕
(注)愛媛新聞は後日、当記事を取り消しています。

これを見た瞬間は、
「えー、女子大生がタクシーで窃盗?この住所だったら、どっちかの大学でしょ。
実名報道だし、就職に響くんじゃないの?酔っぱらってたのかなぁ?お金に困ってたのかなぁ?
ちょっとかわいそうな気もする。」
というような印象と感想が頭を巡りました。

でも次の瞬間には事件日と逮捕日に開きがあることに気づき、それから次々と違和感が湧いてきました。

違和感① 窃盗発生日が冬の1月9日深夜だったのに、逮捕が半年もたった夏の7月8日
てっきり最初はタクシー運転手がその場でとっ捕まえて警察に突き出したのかと思っていて、それならよくある話でいつもどおり読み流すんだけど。。。
え?置き引きで半年も時間かかったの??
これって、逮捕までに証拠集めとか裏付けに相当手間取ったってことでしょ?
(実際には裏付けといえる内容のことはなされていなかったようですが。。。)

違和感② どうやって助手席のセカンドバッグを盗ったの?
1人だったら盗ることなんて無理。というかバッグが助手席にあることすら知りようがないわけです。なぜなら1人だと左後方の座席に乗るため死角になっているわけですからね。
仮に真ん中に座ったとしても後部座席から手を伸ばして盗ることなんて現実的でない。
ということは助手席に座っていた。じゃあ同乗者がいたってことだけど、記事には言及がない。大学の同級生と夜中まで飲んでいてみんなでタクシー乗って帰ってきたってこと?
うーん、松山の大学生って、みんな繁華街から歩いて帰るかチャリ移動が当たり前で、お金のかかるタクシーなんてわざわざ乗らないのになぁ。
(実際に同乗者がいて、でも県警は同乗者を見つけて聞き込みをしていないし、そもそも大学生はタクシー乗っていないし、運転手本人へ顔確認もしていなかったようですが。。。)

違和感③ “「何も話しません」と供述している”という表現
普通こんな言葉を大学生は使わない。これは黙秘している。認めていないっていうことだ。何か臭う。。。

という感じで、何か腑に落ちない、引っ掛かる内容だったのでスクラップしておくことにしました。
その後は、その日の夜に女子大生と同じ大学出身の妻へ「こんな逮捕記事があってね、でも何か状況が変なんだよね。」といった会話をしたくらいで、記事のことに触れる機会もなくいつもの日常生活を送っていました。

そして、その他多くの事件と同様に記憶が薄れていき・・・
とはなりませんでした。
私が最初の小さな記事を見かけてから10日も経たないうちに続報がありました。

誤認逮捕

この愛媛新聞の報道が7月20日。
その後、全国ニュースでも取り上げられ日本中の方が知ることになる事件となりました。
この事件の一連の内容を知るにつれて、悲しくなり、また恐ろしくなり、様々な感情が頭を巡りました。
外部の人間でさえこのような気持ちになるのですから、当事者である大学生と、親御さまをはじめとする周囲の方は本当に辛い思いをなさったことでしょう。

手記を拝見するに、まだ本当の闘いは終わっていないのだと思います。
一部抜粋
同じ都市に住みながら何ができるわけでもなく、ただ見守ることしかできませんが、もし万が一接する機会があれば尽力しよう。そのような想いでいます。

県警の内情を知るために、仙波敏郎さんの著作やインタビュー記事をご覧になるのがよいかと思います。
警察の方が職務としてシラを切らなければならないことと、人間としての本音との狭間で悩んでいる描写もあったかと記憶しています。

私はこれまで、元県警の若い人たちと知り合う機会が何度かありました。彼らはどこにでもいる一般市民として生活しており、内部の情報を漏らすようなことは決してありませんでしたが、それにしても、何でこんなに『元』県警の若い人たちと知り合うんだ?と思ったことがあります。
公表しているのかどうか知りませんが、離職率、高いんじゃないのかな?
休日の旅行くらい自由に行かせてあげた方がよいのではないでしょうか。でないと、視野の広がらない人材ばかりになってしまうし、一個人としての人権を欲して辞めていく若い警官が一定数いるのではと昔から危惧しております。

また、誤認逮捕について、この国で生活を営むものとして、元厚労省の村木さんの著作やインタビュー記事をご覧になった方がよいかと思います。
同じような悲劇が昔から繰り返され、そしてこれからも当分の間は続いていくのだと思います。

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